マイナビ 池本博則氏が語る、強いチームの作り方【後編】

今回は、株式会社マイナビの池本博則氏に話を聞きました。多くの方がご存知の通り、マイナビは総合人材サービス企業として各種求人メディアを運営していることで知られていますが、池本氏は、新規事業部の事業部長として2017年8月1日に総合農業情報サイト「マイナビ農業」というWEBメディアを立ち上げました。前編では池本氏がなぜ、マイナビ農業を立ち上げたのかという話や、立ち上げに際して意識していることなどを語って頂きました。その中で少しチームマネジメントについても触れていきましたが、後編では、さらに掘り下げてチームマネジメントについてお話いただきました。
 
以下
池本:株式会社マイナビ 執行役員 地域活性事業部 事業部長 池本 博則
柴田:株式会社mannaka 代表取締役 柴田 雄平
 

100人のメンバーのマネジメントで、トップとして意識していること

柴田
池本さんが事業部長という組織のトップの立場として、マネジメントをする上で何か心がけていることってありますか? メンバーが100人もいて、モチベーションを上げ続けるっていうのは大変なことだと思います。
 
池本
うーん…ニコニコしているってことですかね?(笑) 怒る時も、たぶん笑って怒っていると思います。
 
柴田
ニコニコして怒るですか(笑) それ、いいですね。じゃあメンバーとのコミニュケーションはどうされていますか? 週に何人かとは必ず話すとか。
 
池本
心がけていることはひとつだけあります。話しやすい雰囲気を作っているからということもあると思いますが、会社の自席に座っていると基本的にはメンバーの誰かが相談に来てくれます。なので、できるだけコミニュケーションをきちんと取ろうと思っています。
メンバーとのコミニュケーションか、外部のパートナーさんとのコミュニケーションに時間を割いているため、ほとんど日中メールなどが見られないという状態です。最初は全然仕事が進まず、大変だと感じた時もありましたが、話すことでとりわけメンバーは、しっかりと判断や業務進行のためのノウハウを得て成長しているので、こちらのほうが今は良いなと感じています。だから、基本的に空いている帰りの時間とか、誰もいなくなった時間などで、自分のメールは見るようにしている感じですね。
 

 
柴田
なぜ、そういうマネジメントスタイルに変えていこうと思ったんですか?
 
池本
これまでは事業部の中に「自ら考えて行動をする」ということをしなくても良い雰囲気が潜在的に存在していました。自主性を強く考える文化がなかったですし、自由度というのがそもそも仕事の中になかったんですよ。でも、今この事業部で求めていることは自主性を持って仕事をするということ。コミュニケーションを円滑に図ることで、徐々に仕事の進め方を理解して自ら行動するメンバーが増えており、今のスタイルは良いと考えています。
 
柴田
そうなんですね。池本さんが入社してから今までの会社の変遷をお聞きしてもいいですか?
 
池本
はい、僕が入社した時は、毎日コミュニケーションズという会社名で、当時『マイナビ』の前身の『毎日就職ナビ』という就職情報サイトが出来上がって3年目のタイミングでした。紙からウェブへ就職情報のマーケットが変わったタイミングで、弊社が事業拡大していく中で営業をしてきました。当時展開していた事業は、就職、転職、出版、あとは人材派遣だと記憶しています。
今、弊社の代表がメッセージとして社内に発している言葉に「日常の当たり前のところに、当たり前にある存在になる」というのがあります。そんな中で近年、例えばウエディングとか住まいとか、インバウンドとか様々な分野に挑戦し始めていて、僕たちの地域活性事業というのも、まさにこれからの、10年後、20年後の新しい事業の柱になるのだという想いで事業を推進しています。
 
組織が大きくなったことで、昔に比べるとスピード感や自由度がなくなった側面もあるなとは個人的に感じているのですが、僕が新事業を行う中で心がけているのは、まさにその“スピード”です。大きな組織の中でもスピード感を保ち事業を展開することが今はすごく重要なことだと思っています。
 

 

これからの若手に対して期待していること

柴田
これから入社する人や、若手の人たちに期待していることを教えてください。
 
池本
僕は、昨年までは就職情報の仕事を通して、多くの大手企業様のリクルーター研修の講師を担当してきました。
その時に、リクルーターの方にぜひ見極めて欲しいとどの企業でも話をしていたことは、「若い時に身につけるべきことを当たり前に身につけて、成長しようとするスタンスを持っているか」ということです。
個人のタレントとして何かに天才的な強みを持っている方、一つの領域を極めたいから徹底的にその分野に挑戦する方。そういった方々は当然魅力的に感じますが、さらに魅力的な方というのは、若い時にきちんと自分の能力を蓄えるために、社会人として基本的な仕事の仕方やマナーを身に着けようとする姿勢や取り組みをしているかです。
人への思いやりや配慮、全体を俯瞰する能力など、AIや新しい技術がどんなに進化しても、最高の人材に必要なのはそういった素養が備わっているかどうかで、大きく個人の能力に差が出ます。これはベンチャー企業も、大企業も変わらないことだと思っていて、やはりビジネスパーソン、社会人として大事にしなければいけない根幹を、若い時にきちんと備える努力をしてほしいと思っています。その上で、自分のやりたいことや想いを持つ人はとても魅力的に感じます。
 

 

マイナビ農業の今後の挑戦

柴田
今後の挑戦について教えてください。
 
池本
当然、「地域を活性化していく」という使命はありますが、一人ひとりのメンバー自身が“活性化”し、楽しく仕事が出来る組織にしたいと考えています。4月以降とどまることなく組織を活性化して、どんどん新しい仕事と新しいポジションを作って絶えず前進していますが、メンバー一人ひとりがやりがいと自主性を持って、一丸となって業務に取り組めることを目指しています。全員が「仕事が楽しい、面白い」とか、「休日も充実している」と思えることが理想です。
 
柴田
なるほど。今後、このメディアが成長した時に、日本の農業に対する考え方や仕組み、技術を海外にも出していってほしいと思っています。日本国内の話だけではなくて、世界に対しても影響を与えてほしいと個人的には思っているので、そういうところにも挑戦していってほしいです。
 
池本
そうですね。マイナビ農業は農業の総合情報ポータルサイトとして、多くの人に見てもらえるサイトにしたいなと思っていますが、もう1つ目標がありまして、マイナビ農業が農業分野において、あたりまえにある存在になれたらいいなと考えています。10年後、20年後にも存在し続け、マイナビの事業の柱のひとつになりたいという思いがあります。
 
柴田
なるほど。今日はいろんな話をお聞きできました。ありがとうございました。
 
池本
こちらこそ、ありがとうございました。
 
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今回は、株式会社マイナビで「マイナビ農業」を立ち上げられた池本博則氏に話をお伺いしました。
この後編では池本氏のチームマネジメントについて、若手に期待していること、そしてこの「マイナビ農業」をどのように成長させていきたいのかについて話をして頂きました。マネジメントについて、今の自分に置き換えて考えられることがきっとあったのではないでしょうか。
 
前編では池本氏がなぜ、マイナビ農業を立ち上げたのかという話や、立ち上げに際して意識していることなどを語って頂いています。そちらもぜひご覧くださいませ。
 
前編はこちら
 
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いちばん大きな寄合所になりたい。
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