仮払金の取扱いについて~税務上の諸問題について~

税務上問題とされることが多い、仮払金について

1.概要

仮払金は税務上も税務調査等で問題になる部分ですが、会計上、金融機関との関係でも問題となりますので、その処理には気をつけないといけない項目です。
 

2.取扱い

仮払金については、2つの性格があると思います。
 
①取引内容は明らかであるが、相手側との関係で一時的に当該項目を使っている場合。
②支出時点ではその内容を特定しにくい、ある種の未決算勘定的項目。
 
前者に関しては、決算時点で領収書や関係者に支出内容を再確認したうえで、支出内容にふさわしい項目に振り替えることになります。
後者に関しては、例えば試験研究費や開発費に該当するような項目をその効果が明確になるまで、仮勘定的な項目として仮払金に含めておくというものです。
 
税務上問題となってくるのは、前者に関して会議費や交際費などに振り替えられないのであれば、個人的支出になる場合もあります。このような場合、役員であれば役員報酬として認定され、損金不算入とともに源泉課税の問題となります。
その者に対する貸付金として税務上処理されるのであれば、利息の認定という問題が生じてきます。
 

3.まとめ

仮払金という項目は、金融機関からの融資を受ける場合、税務上もさらには管理上も問題が多いので注意が必要です。
 
 
プロフィール

安村 雅己
株式会社mannaka/監査役
安村税理士オフィス/代表
会計税務等関与して35年。中堅企業や医療関係、非営利法人等多様な実務経験あり。
起業を起点として、会社の為、経営の安定成長を目指しています。
夢の共有がすべてだ。税務、会計のみならず法務、財務といった幅広い知見をフル活用。
一橋大学大学院博士前期課程修了の税理士、法学修士として、広範な問題に対応。
研究者、講師や監事、監査役も。戦う税理士としてクライアントの為に全力投球。
 
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