コニカミノルタ、主力の複合機が市場成熟で低迷 経営戦略の要、M&AでV字回復へ

はじめに

2017年1月31日の日本経済新聞でコニカミノルタ株式会社(以下、コニカミノルタ)がパイオニア株式会社(以下、パイオニア)と有機EL照明の事業を統合すると報じられました。
 
また、コニカミノルタは女性が働きやすい環境であることで有名です。複合機の販売を中心にヘルスケア機器など、それらの関連消耗品、ソリューション・サービスを提供してきました。
 
近年、売上げの多くを占める複合機の市場は縮小傾向にあり、今後の経営戦略に注目されているコニカミノルタについて紹介します。
 

コニカミノルタの事業内容

コニカミノルタの事業内容は以下の通りです。
 
情報機器事業
複合機(MFP)、プリンター、印刷用機器、産業用インクジェットヘッド、テキスタイルプリンターなどの開発・製造・販売、並びにそれらの関連消耗品、ソリューション・サービスなど
 
ヘルスケア事業
ヘルスケア用機器、産業用・医用計測機器
 
産業用材料・機器事業
電子材料(TACフィルムなど)、照明光源パネル、機能性フィルム(遮熱フィルムなど)、光学デバイス(レンズユニットなど)の開発・製造・販売など
 

コニカミノルタ、主力の複合機の市場が成熟で鈍りか M&Aで成長市場開拓へ

コニカミノルタの主力商品である複合機の市場は成熟してきており、新たな市場を開拓する必要があります。そこでコニカミノルタは、新たな成長分野としてヘルスケアやセキュリティー分野でM&A(合併・買収)を進めてきました。特に2016年には事業多角化のためのM&Aが目立ちました。
 
確かに複合機市場は成熟してきているので、コニカミノルタの複合機事業は低調なのかと言うと、そうでもなさそうです。2017年1月25日の日本経済新聞では「コニカミノルタの屋台骨の複合機事業は2016年4~9月期に現地通貨ベースで増収増益だった。市場成熟で収益が落ち込む競合が多いなか、健闘ぶりが際立つ。ライバルの目が行き届かない中堅・中小企業に的を絞った独自策の成果だ。」と評価していました。
 
また、2017年1月31日の日本経済新聞でも、「コニカミノルタは有機EL照明を含む機能材料も成長分野と位置づけており、パイオニアとの連携で事業の拡大を狙う。」と、有機ELの技術に強みを持つパイオニアと有機EL照明事業を統合する方針(コニカミノルタとパイオニアの両社は、今春に50%ずつ出資する共同出資会社を立ち上げる方向で最終調整している。)を発表しました。
 

コニカミノルタの株価

参考までに、コニカミノルタの直近1年の株価の推移を掲載します。
 

Chart コニカミノルタの直近1年間株価推移(単位:円)
 

コニカミノルタの財務状況 業績悪化だがM&AでV字回復なるか

最後に、コニカミノルタの財務状況を見ていきましょう。
 

Table コニカミノルタの財務情報
 
これを見るとコニカミノルタは、少し業績の悪化が見られます。上記に記載したようにコニカミノルタの主力事業の複合機市場は縮小しており、それが業績に響いていると言えるでしょう。
 
しかし、コニカミノルタは2016年度にはM&Aを積極的に行うなど事業の多角化を計ってきています。今後はコニカミノルタの業績のV字回復に期待したいですね。
 
 
編集者:株式会社mannaka
協賛 :株式会社エスネットワークス
 

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