ユニ・チャーム、最高益でも浮かれている暇はないワケ 中国市場で苦戦

はじめに

ドラッグストアでよく見られる衛生用品の大手メーカー、ユニ・チャーム株式会社(Unicharm Corporation 以下、ユニ・チャーム)は、生理用品や紙おむつで日本国内のトップシェアを占めています。2016年12月期で、純利益は9%増の441億円と過去最高益を達成したことが、2017年2月16日(木)の日経新聞朝刊の企業面に掲載されました。
 
本日は、ユニ・チャームの成り立ち、または、近年の事業の正体に迫りたいと思います。
 

ユニ・チャームの略史

ユニ・チャームは1961年に設立された大成化工株式会社がもとになっています。
 
当初は、建材の製造販売を中心に営業を行っていましたが、1963年に「フェミニンケア」事業を皮切りに、生理用ナプキンの製造販売を経て、衛生用品事業に転向しました。1974年には、ユニ・チャーム株式会社を新設し、タンポン製造販売を開始しました。そして、2年後の1976年に東証二部に上場しました。
 
ユニチャームは1984年に海外進出初となる台湾に合併会社を設立し、1995年には上海に合弁会社を設立するなど、海外への合併会社・子会社設立を進めて現在に至ります。
 

ユニ・チャームの事業概要

ユニ・チャームの事業内容は、主に以下の5つに分けられます。
 
ベビーケア事業
ユニ・チャームは、1981年から「ムーニー」 などのブランドを展開し、特に1992年発売の「ムーニーマン」は世界初のパンツタイプであり、簡単に履かせることができるおむつとして好評です。
 
フェミニンケア事業
ユニ・チャームは1963年から、「生理・おりもの・軽失禁による物理的・精神的な束縛から女性たちを解放」することをコンセプトに生理用ナプキン・タンポン・ショーツ・パンティライナーなどのフェミニンケア製品を開発しています。近年、生理対象人口が減少する中、 高い評価を得ています。
 
ヘルスケア事業
ユニ・チャームは1987年から、高齢者など向けの排泄・尿ケアの「ライフリー」などの商品を販売しはじめ、近年の花粉症人口の増加を背景に、業務用メディカルマスクを市販化した「超立体マスク」など、マスクにも注力しています。
 
クリーン&フレッシュ事業
ユニチャームは1974年からクリーン&フレッシュ事業を開始し、以来不織布・吸収体などの技術を生かしてホームケア用品、パーソナルケア用品、キッチンケア用品を製造販売しています。
 
ペットケア事業
ユニ・チャームは1986年にペッチケア事業を開始し、「愛犬元気」「ねこ元気」「銀のスプーン」「銀のさら」などのペットフード、または、「デオシート」「ペット用紙おむつ」「デオサンド」など、ペットの食事や飼育グッズ商品を世に送り出してきました。
 

ユニ・チャーム、半数近くを占める好調なアジア市場

中でも、中国市場とインドネシア市場を代表とするアジア市場の比率はユニ・チャーム全体の45%も占めました。
 
とくに中国市場では、日本で展開している紙おむつ「ムーニー」の中国向け輸出も進めており、1歳過ぎの幼児を対象とした「パンツ型」紙おむつのニーズが拡大し続けています。
 
また、ユニ・チャームは、もう一つの成長をけん引しているインドネシア市場において、紙おむつのみならず、生理用品の商品シェアも4割近くに達し、経営の好調が注目されます。
 

ユニチャーム、中国市場での3つの課題

ユニ・チャームは、2016年12月期連結決算では、売上高比率は全体の15%前後を占める中国市場では、いくつかの課題があると見られています。
 
1.おむつマーケットの縮小
急激な都市化により、中国では、全国的に出生率が急速に低下しているため、今後、ベビー向けのおむつのマーケットが縮小する見込みです。
 
2.紙おむつシェアの低下
ニールセンの店頭調査によると、2014年3月まではユニ・チャームは第2位を確保していますが、その後米キンバリー・クラークの「ハギ―ズ」に抜かれ、花王の「メリーズ」にも僅差で抜かれたことが分かります。競合他社が急速に売り上げを伸ばしているため、今後、高いシェアを維持するのは容易ではないと思われます。
 
3.通販参入の手遅れ
China E-commerce Information Platformの調査により、通販はこれから最も重要な販売チャンネルとみられています。紙おむつ市場の販売チャンネルについても、2011年では、わずか14%だったネット通販経由の比率が、2014年の32%まで急上昇し、最大の販売チャネルとなっているとのことです(ユニ・チャーム調べ)。一方、ユニ・チャームのネット通販経由の比率は市場平均値を下回り、中国市場におけるネット対応の遅れが見られています。
 

ユニ・チャームのまとめ

ユニ・チャームは、創立時の事業転換など大胆な経営戦略を実行してきた企業ですので、今後、国際事業、特に中国事業の動向も期待を持って見守っていきましょう。
 
 
編集者:株式会社mannaka
協賛 :株式会社エスネットワークス
 

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