ASEAN諸国の経済力と闇

はじめに

近年、ASEAN諸国が新興国として注目を集めています。ここでは、そうしたASEAN諸国の経済力の比較をご紹介すると共に、そうした発展の影に潜む闇(社会問題)について解説していきます。
 

ASEAN諸国の成長

ASEAN諸国は、欧米や日本といった先進国の企業の生産拠点を提供するといった役割を担ってきました。その結果、雇用が生まれ、個人の所得が増え(安定)ました。また、そうした企業の設備投資も相まって、東南アジア新興国の経済を支えてきたと言われています。
 
昨今では、かつての東南アジア新興国の経済水準が上昇し、従業員の賃金が増加したため、別の東南アジアの後進国に外資企業(日本や欧米企業)が生産拠点を移しており、東南アジアでは相次いで、「後進国から新興国」へと、変貌した国が登場してきています。
 

ASEAN諸国の経済力を比較

ASEAN諸国の1人当たりの名目GDPを比較してみました。
 

Chart 1 東南アジア諸国の1人当たりGDP比較
 
こうして、比較してみると東南アジア諸国でもシンガポール、ブルネイの経済力が強く、同地域内の格差が大きいことがわかります。
 

ASEAN諸国の人口推移

ここで東南アジア諸国の人口比較を見ていきましょう。
 

Chart 2 東南アジア諸国の人口推移
 
国の人口を比較してみると、「GDP/人」の高かったシンガポールやブルネイは人口が少ないです。
 
人口が少ないと必然的に一人当たりの名目GDPは上昇します。しかし名目GDPのみで経済力を見ると、ASEAN諸国では、1位にインドネシア、2位にタイとなります。
 
人口の多さもASEANトップであるインドネシアの首都ジャカルタでは、若年層の割合が高く、今後の生産年齢人口増加の可能性も極めて高いことが予測できます。さらに、島国ではありますが、太平洋に面しているため、貿易も行いやすくなっています。したがって、今後さらに経済規模が発展していく可能性を秘めていると考えられます。
 

ASEAN諸国の経済成長の影で

ASEAN諸国は新興国として、日々発展していることが窺えます。データのみで判断した場合、こうした発展はASEAN国民の生活水準を向上させているように見えます。
 
しかし、アジア開発銀行の集約では、ラオス、ミャンマー、フィリピンの3カ国では5人に1人以上の割合(20%以上)の割合で貧困層がいると考えられており、名目GDPがASEAN内のトップ2カ国であるインドネシア、タイでも10人に1人の割合で貧困層がいると考えられており、経済格差の広がりが問題視されています。
 

ASEAN諸国のまとめ

経済成長率は減少したものの、依然として発展が期待されるASEAN諸国に今後も注目していきたいと思います。
 
 
編集者:株式会社mannaka
協賛 :株式会社エスネットワークス
 

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