マネックスグループ、最終利益約3億円計上
2017年1月19日の日本経済新聞で、マネックスグループ株式会社(以下、マネックスグループ)の連結最終損益(国際会計基準)は3億円前後の黒字となったとみられる、という記事がありました。
NISA口座の開設で最近よく使われるマネックスですが、どんな会社で何を強みにしているのかここでは解説していきます。
マネックスグループの構成
マネックスは、持株会社であるマネックスグループと、子会社のマネックス証券株式会社(以下、マネックス証券)を中心とした金融関連のグループ企業(下記に列挙)により構成されています。
- マネックスグループ株式会社
- マネックス証券株式会社
- トレード・サイエンス株式会社
- マネックスベンチャーズ株式会社
- マネックス・ハンブレクト株式会社
- マネックス・セゾン・バンガード投資顧問株式会社
- TradeStation Group, Inc.(欧米拠点)
- マネックスBOOM証券グループ(中国拠点)
マネックス証券の強みとビジネスモデル
マネックス証券、個人から法人までの金融ニーズに対応
マネックス証券はオンライン証券という新たなビジネスモデルを確立し、現在は子会社を増やしアセット・マネジメント、投資教育、M&A、FXなど様々な金融ニーズに対応した会社になっています。マネックス証券ではNISAの口座の開設の代行もしており、少額投資の個人投資家のニーズにも対応しています。
マネックス証券、オンライン証券など個人向けサービスに強み
マネックス証券はオンライン証券取引の草分け的存在であるため、マネックス全体としてオンライン証券取引に強いという特徴があります。
また、マネックス証券が上場する際、株式を実質64分割し、当時数百万円台、数千万円台が普通であった中で株価を安くして個人投資家にも手が出しやすい価格で株式上場し、それによって株式市場全体の1株当たりの株価を引き下げようという流れを生み出したこともあり、NISAなどの個人投資家向けのサービスに強みを持っています。
マネックス証券、IPOや米国株取引にも強み
またIPOに強く、主幹事となることが多いという特徴もあります。
さらに、米国に子会社を持っており、米国の株取引を扱っているというのもマネックスの大きな強みでしょう。
マネックス証券のビジネスモデル
マネックスは証券会社なので、株の取引き件数が売り上げに直結し、そのため売上は景気変動に依存するところが大きいです。
特に、マネックス証券ではNISA口座の開設手続きをはじめ個人投資家向けのサービスが強みであるため、景気変動の影響を受けやすいビジネスモデルになっています。
マネックス証券、トランプ相場で黒字転換
マネックス証券の2016年4~9月期は純利益が1.7億円の赤字でしたが、米国でのリストラに加え、トランプ相場により米国の株式取引が盛んになり、その恩恵を受けて2016年4~12月期は約3億円の黒字に転じました。
マネックス証券の株価
参考までに、マネックス証券の直近1年の株価データを載せます。
Chart マネックス証券の株価推移
マネックスグループのCFO紹介
マネックスグループには、共同CFOという形で立野公一氏と蓮尾聡氏が就任しています。
立野公一氏は2016年4月より外部からマネックスグループに参画しており、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ユニゾン・キャピタルでの就業の経験があります。
マネックス証券、今後の戦略
現在マネックス証券は、システム内製化による固定費用削減に最も力を割いており、コスト削減によって利益率は年々向上を続けています。また、中長期的には新取引プラットホーム開設による中長期的な収益増大を目指しています。
今後のマネックス証券の収益に関しては、アメリカ新大統領トランプ氏の影響によってどれほどアメリカ株式取引が盛んになるか、これに大きく影響されるのではないでしょうか。今後もトランプ大統領の発言から目が離せません。
編集者:株式会社mannaka
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