年間で約200講座、5,000人以上の方に対して研修をしている人気講師が、「褒め方」について、話をしてくれました。
褒めると甘えるし、叱るとすねてやる気を失うし…
さて、最近ある企業様で行った研修で、こんなご相談をいただきました。
「褒めると甘えるし、叱るとすねてやる気を失うし。部下への接し方が分かりません…」
実は、わたしはこのようなお悩みをよく聞きます。このようなお悩みに対しては、わたしはいつもこんな風にお答えしています。
「褒めるか、叱るかというのは、どちらかに決めることはないんですよ。」
と。すると、多くの方は首をかしげます。どういうことかというと、「褒める」も「叱る」も、実は目的が一緒だから、目的にあう方法で部下とコミュニケーションすればいいんです。
褒めることの目的
褒めることの目的とは、「部下のモチベーションを上げること」です。あなたの職場にも、失敗続きで落ち込んでいる部下はいませんか? そんな彼らのモチベーションを高める、「褒め方のコツ」について今日はお伝えしたいと思います。「褒める」目的は、モチベーションを上げて、その結果、部下が良い行動を習慣化し、成長してもらうためとも言えます。そのための効果的な「褒め方」には、次の5つのポイントがあります。
- 「I」メッセージで褒める
- 小さなことでも褒める
- できたことを褒める
- プロセスを褒める
- 感謝する
全てとても大切なのですが、今回は、特に大切で、かつ、多くの上司が苦手とする「I」メッセージで褒めるにフォーカスしてお伝えしようと思います。
I(アイ)メッセージで褒める
「I」メッセージとは、相手ではなく自分を主語にして伝えることばのことです。たとえば、
- A.「(あなたは)すごい頑張っているね」
- B.「(わたしは)あなたが頑張っている姿を見るの、すごく嬉しいよ」
というのでは、Bの方が嬉しく感じる人が多いのではないかと思います。ただ単に「頑張っているかどうか」を評価されるよりも、自分という主語を踏まえて言葉を選ぶ、「I」メッセージを使って、上司自身の気持ちや思ったことを伝えることで、部下はより強く「自分が頑張っている姿が、本当に上司に認めてもらえたんだ」と、思うことができます。
あなたの普段の褒め方は?
具体的な行動とともに、自分の「気持ち」を伝えることで、実は、部下は「嬉しい」「良かった」という感情が増すんです。
あなたの普段の言葉はどうでしょうか?
「(あなたは)○○ができるようになったね」
「(あなたは)こういうところが、良いところだよね」
という言葉を、多く使っていませんか?
もちろん、悪くはないのですが、
「(わたしは)あなたが、○○ができるようになって助かっているよ」
「(わたしは)あなたの、こういうところが、素晴らしいと思うよ」
というように、「I」メッセージをぜひ使ってみてください。きっと、部下のモチベーションの上がり方が、さらにもう一段増すはずです。
とはいえ、実践するのは難しい…そう思う人も多いかもしれませんが、この記事を読み終わったら、ぜひパソコンから顔をあげて、部下に声をかけてみてください。少しだけ驚かれるかもしれませんが(笑)必ず、あなたにも良い結果が訪れるはずですよ。
あなたがどこでも通用するような人材となるヒントとなれば幸いです。
記事 / 株式会社FCEトレーニング・カンパニーと株式会社mannakaの共同作成記事です。
執筆者 / 中村 天大
編集者 / 株式会社mannaka
組織デザインコンサルティング会社。
FCEトレーニング・カンパニーには、「働くをおもしろくする」研修が、あります。
3,000以上もの組織・チームから見出した「成果を出す組織の原理原則」と、世界的ベストセラー『7つの習慣』をよりビジネスシーンにフォーカスした「7つの習慣(R)InnovativeMind」研修を提供しています。
2013年から5年連続で、「働きがいのある会社ランキング」ベストカンパニーにも選出を頂きました。
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