今回は、エール株式会社 事業開発リーダーの北村 勇気氏にお話を伺いました。エール株式会社は、「働く1人1人が『幸せに働ける社会』を創る」をミッションに、組織外の専属サポーターと定期的に1on1をすることで、社員の社内では話せない本音を引き出し、働きがいと成果を創っていくサービスを展開しています。
今回インタビューをさせて頂いた北村氏は、創業メンバーとして同社に参画。会社外でも、オーケストラや華道・茶道などの日本文化のイベント運営など様々な活動をされながら、大学院生として研究もされていると伺いました。そんな幅広い活動をしている26歳の北村氏は何を軸に、どこを目指して活動しているのか? 北村氏の過去と未来について、「X-エックス-」を運営する株式会社Mi6 代表取締役社長の川元氏とPILES GARGAE編集長の柴田が深く話を伺って参りました。特に20代の方必見のインタビューをぜひ、お楽しみください。
以下
北村:エール株式会社 事業開発リーダー 北村 勇気
川元:株式会社Mi6 代表取締役社長 川元 浩嗣
柴田:株式会社mannaka 代表取締役 柴田 雄平
エールとオーケストラと日本文化と
柴田
それではまずは勇気(北村氏)の自己紹介をお願いします。
北村
現在、私はエール株式会社に所属し、社名と同じ「エール」というサービスの展開をしています。当社は大手の企業様をメインの取引先として、社員一人ひとりに外部の専属サポーターをアサインするというサービスを行なっています。サポーターが社員さんに対して週に1回30分間の電話で、社員さん一人ひとりの悩みや課題を聞き解決してあげたり、知りたいこと・やりたいことなどを一緒に考えたりと、コーチングやカウンセリングかと聞かれることが多いのですが、というよりはもっと複合的に、1人1人に合わせて必要なコミュニケーションを提供しています。要するに社員さんを幸せにするサービスなんです。このようなサービスを通じて、企業の社員一人ひとりが楽しく働けて、働きがいを持ち、幸せになってもらうサポートをするというサービスを提供している当社に創業時から入ってやっています。
それから、Aile管弦楽団という楽団の事務局長としてオケ全体のマネージメントも行なっています。当オーケストラは新しい形の音楽として、例えばホール全体にプロジェクションマッピングを投影したりしているんです。早稲田のビジネススクールと一緒になって、管弦楽団がプロジェクションマッピングを使ってどのような集客効果があるかなどを実験的に行なって効果測定したりもしているんですよ。
最後にもう一つ行なっている活動が、日本文化に関する活動ですね。一般社団法人Nippon Collectionという、古来から続く日本の文化の後継者たちを集めて、これからの文化の在り方について考えていくことで代表理事をしています。僕は元々、ずっと茶道や華道をやっていて、日本文化の家元たちやその後継者たちと繋がりが強いんです。
経歴としては、大学卒業後、新卒で入社した会社を5ヶ月で辞め、現在のエール株式会社に入社しました。当社が「株式会社もくてき」という旧社名の時に、創業メンバーの一人としてジョインしたんです。その当時は、美大の日本画専攻にも通っておりましたが中退しています、というのが僕の簡単な経歴です。
北村氏の強み「親密性」が形成された背景
柴田
いろいろな経験をしてこられたと思いますが、ご自身の強みは何だと認識しておられますか?
北村
僕の強みは「親密性」です。これは僕のスキルでもあると思っています。自分の一番の強みだと認識したのは本当につい最近のことなんですが、きっかけは、弊社の現社長と週に1回の1対1のミーティングをしている時のことでした。深夜3時の五反田で飲みながら、こう聞かれたんです。「きたむーの特性って何?」って。
「特性とはどういうことですか?」と、彼に尋ねてみると「特性とは、自分が一番楽しく、かつ集中できて、何のストレスも感じずにできること。だけど、他の人から見るとそれは一般的には実行が難しいと思われること」だと彼は言ったんです。でも、正直に言ってその時はその答えはすぐに出てきませんでした。それから、ずっとそのことを考えたんです。「自分の特性ってなんだろう?」って。それから何となく、自分の強みは「親密性」じゃないかと思うようになったんです。
では「親密性」とは何か? 一言で説明するのが難しいのですが、ストレングスファインダーにはこう書いてあります。
「既に知っている関係にある人とより深い関係を結びたいと感じる。」
要するに、僕は人とひたすらに濃く話し続けるというのが大好きなんですよね。そして深い関係を結んだらそれを継続したい。つまり1回会って話しただけではなくて、それからも定期的に会って深く話すというのが好きなので、深い関係の人が増えていくんです。僕は人間臭い、ある意味、ネチネチドロドロした関係を望んでいるんですね。表現の仕方がちょっとあれですが。笑
川元
その強みが形成されてきた背景も、よければ教えてもらえますか?
北村
背景としては、今だから普通に話せますが、僕が高校生の時に発症した精神病が影響しています。僕は高校2年生の時に、学外のある学生団体に入ったんです。多摩川の河川敷のボランティアで、関東圏のいろんな中高生が集まる団体でした。それまでは学内にしかコミュニティがなかったのに、初めて学外にコミュニティができてすごく楽しくなったのを覚えています。それから、頑張っていたら運営側にまわることになったのですが、ある時、団体の方針で幹部の意見が割れてしまったことがありました。当時の僕は、すごく傲慢で、絶対に自分が正しいと思っていて、喧嘩になって団体をクビになってしまったんです。
当時、そのコミュニティに入っていて、200人ぐらいの仲の良いメンバーがいたのですが、1日で全員との関係が消えてしまいました。その学生団体にガッツリ関わっていたので、急にそれがなくなりバランスが取れなくなっちゃったんですよね。それから、大学2〜3年生ぐらいまでは、人を信じることができなくなりました。
しかし、大学3年生の時に転機が訪れました。大学3年生の時に、数百人規模のイベントを運営側として携わった後の打ち上げで、自分の過去について初めて話すことになったんです。その時に、自分の過去を全て明かしたら、話を聞いてくれたみんなが「俺らは北村のこと好きだし信頼してるよ。友だちだし仲間だと思ってるよ」って言ってくれて…人目をはばからず嗚咽しながら大号泣しました。呪縛が解けたような感覚でした。
そんな経緯があって、元々持っていた資質も相まって「親密性」という強みが形成されていきました。幸運なことに自分には、こんな仲間たちがいて前に進むことができましたが、きっかけを掴めずにそのまま孤独に生きてしまう人もいると思うんです。一見ポジティブに楽しそうに見えても、自分の中で悩んだり不安になったりしても誰にも言えない人だっていると思うんです。でも、信頼できる人が誰か1人でもいたら、きっと変わると思うんです。その思いが今、エールで働いていることにも繋がっています。
毎日、強みが活かされている実感がある
柴田
その「親密性」という強みが今の仕事にどのように活かされていると感じますか?
北村
結論から言うと、仕事では毎日のように活きているのを実感しています。一つはお客様側、もう一つはサポーター側のそれぞれに活きています。お客様側では、私の知人・友人が増え、エールのファンになってくれることで、紹介がどんどん生まれています。ファンになってくれた方達の中には、既に社内営業を済ませてくれていて、営業に行ったらもう決済まで下りていた、みたいなこともありました(笑)
僕の感覚としては、純粋に仲の良い人が徐々に増えていっただけ、という感覚なのですが、気づくとそこからお仕事の受注に至っていたりと。それはすごく嬉しいことで、一人ひとりと向き合い、相手のお話をじっくり聞きながら一緒に興味のあるところをじっくり考えていく、そんな深い思考の旅をするかのような、そんなことをいつもしていたからなのだと思うんです。
サポーター側でも、彼らと対話をし、価値観を共有し続けたことで、彼らが主体的にサポーター同士で場を作ったり、動いてくれたりしています。もちろん全て僕の影響ではないと思いますが、自分の親密性の影響力は多少あったんだろうなと思っているんです。
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今回は、エール株式会社 事業開発リーダーの北村 勇気氏にお話を伺いました。事業開発リーダーとして活躍されながら、オーケストラや茶道・華道などの日本文化に関するイベントの運営など、幅広く活動されている北村氏が武器にしている「親密性」という強み。その強みを認識したきっかけと過去について赤裸々に語って頂きました。
過去の辛い体験が今の仕事への想いにしっかり繋がっているんだということを感じました。さらに後編では、北村氏が持っている考えの軸について伺っていますが、続きがとても気になります。後編もぜひご覧ください。
▶︎ エール株式会社
クラウド型1on1サービス YeLL
組織外の専属サポーターと定期的に1on1。
社員の社内では話せない本音を引き出し、働きがいと成果を創ります。
HP:http://www.yell4u.jp/