株式会社クラウドファンディング総合研究所 所長 板越氏の人生から学ぶ、未来の自分を形づくる経験の大切さ【後編】

今回は、株式会社クラウドファンディング総合研究所 所長の板越 ジョージ氏にお話を伺いました。株式会社クラウドファンディング総合研究所は日本初のクラウドファンディング専門の研究・調査及びコンサルティング会社です。クラウドファンディングを通して一人でも多くの方が、自己実現ができるように支援活動をしていきたいという思いを持って活動をしておられます。
 
今回はいつもの対談企画とは趣向を少し変え、前編では所長の板越氏に、これまでの人生経験を幼少期から語って頂きました。経営者の息子に生まれるも、借金取りに連れていかれるような辛い幼少期を過ごし、中学時代にはジャニーズ事務所に入り光り輝く世界を体験。その後はジャニーズを辞め、学生生活を謳歌。20歳の時からは海外の様々な国、特に国際情勢が荒れている国を中心に周り、サバイバルに生きてこられた板越氏。そんな板越氏の人生経験を聞き、人生の疑似体験をすることであなたの人生のヒントになればと思います。後編では、若者に向けたメッセージを伺っています。それでは、インタビューをお楽しみください。
 
以下
板越:株式会社クラウドファンディング総合研究所 所長 板越 ジョージ
柴田:株式会社mannaka 代表取締役 柴田 雄平
 

男というのは50歳になってようやく大人になるんだよ

柴田
いろんな経験をしてきたジョージさん(板越氏)から、20代で悩んでいる人に何かアドバイスを頂けませんか?
 
板越
僕は、ちょうど50歳になりましたが、感覚としては20代の頃と全く変わらないんですよね。むしろ今の方が体力があるなと感じますし、目以外は全く衰えている感じがありません。30歳になった時も、40歳になった時も、いよいよだななんて思っていましたけど、今思うと40歳なんて子どもだったなと思いますよ。僕は、男というのは50歳になってやっと大人になるんだと思っていたから、50歳になるまでに無敵な自分を作ろうと思っていて、50歳になるのを楽しみにしていたんですよ。やっと大人になって、人生の本番が始まったと考えると、これから80歳ぐらいまでは普通に元気に生きているんだろうと思います。人生は長いし、20歳なんてまだ何も始まってすらいないよという感じですよね。
 
一つ言えることは、20代は、苦労は買ってでもした方がいい。選択肢があったら、常に苦労する選択肢を選んだ方がいい。理由は結果として足腰が鍛えられるから。30歳になるとようやくいろいろ考えられるようになってくるけど、やっぱり30歳じゃ何をやってもまだまだ子ども。僕は今、身体も結構鍛え上がっていますが、33歳ぐらいからジムに行き始めたので、ここまで来るのに16〜17年ぐらいかかりました。40歳になってからMBAを取って博士までいきましたけど、やっぱり10年ぐらいはかかりました。経営者としても24年くらい経ってようやく分かって来たこともあります。だから、よく「何をするにしても10年はかかる」と言っているんです。そのステージでできることはあるけれども時間はかかるものなんです。
 
また、僕は33歳で会社の倒産を経験しました。そしてその時に「まだ若くて良かったね」と言われたんですが、今思うと確かにそうだなと思うんです。50歳になって倒産したら流石にしんどいですよ。だから早いうちにそういう経験をして良かったなって思います。これも大人になってから分かることなんですけど、どこで生まれ、どんな環境で生きてきたかというのはその後のその人の人生に大きく影響するんです。だから人と会う時には、生まれや育ってきた環境を聞くと、自分の中のデータベースからその人がどんな人かという仮説が立てられるんですよね。
 

 

クラウドファンディングというモチーフとの出会い

柴田
最終的にクラウドファンディングというところに結びついていったのはなぜなんですか?
 
板越
10年前に日本を代表する画家の千住博さんの本をプロデュースしたことがありました。その時、千住さんには毎月3時間のインタビューを1年間ぐらいさせて頂きました。彼はすごい哲学を持っていて、その彼の哲学の本を出したいと思ったんです。結局2冊の本を出したんですが、彼はその中で「モチーフとの出会い」ということを言っていたんです。千住博だったら滝の絵だし、村上隆にしても、草間彌生にしても、この人だったらこれだというモチーフがあり、それが大事なんだと。モチーフが1つあれば、ずっと語り継がれるわけだと。だから僕も40歳の時に自分が世の中に出ていくためには、何か自分のモチーフが必要だと思ったんです。それがクラウドファンディングというものであって、自分の中の全てのものが合致したわけなんですよ。
僕はアメリカにいて、自分が起業家支援をしている中で資金調達の問題があったから、それを助けるためにはどうしたらいいかと悩んでいました。タイムマシン理論的に考えると、クラウドファンディングはまだまだこれからいけると思ったので、クラウドファンディングというものを自分のモチーフにしようと思って、それで食らいついていきました。
 
それから、これまで僕は直感型の右脳派の人間だったんですけど、40歳になって大学院でMBAを勉強するようになってから左脳でも考えられるようになって、右脳で直感でイケると思った後、次の瞬間に左脳でも計算して勝てるか勝てないかの分析をするというのが今の自分です。だから今は、右脳と左脳をちゃんと使い分けられています。左脳的に良いなと思っても、直感で良いと思わなかったらダメだし、直感的には良いんだけど、左脳でよくよく考えてみるとダメだと思ったらGOしない。だんだん歳をとってくるとデータが蓄積されるから、判断の精度が上がってくる。
 
でも若い時にはデータがないから、直感でいった時には必ず検証をしないとダメです。必ず仮説を立てて検証をして、最後に考察し、学んでいかないといけない。僕、会社を倒産した時に言われたことがあるんです。「1回目はいい。だけど2回、3回失敗したら、あなたはそういう人だと言われるよ」って。だから1回失敗したことは次は絶対に失敗しないようにしようと心に決めたんです。何度も何度も同じミスをする人は、常日頃、仮説を立てて実行して、ちゃんと考察をするというプロセスを踏まないとまた同じ過ちをしてしまうし、何が成功して何が失敗したか分からないまま進んでしまいます。これはMBAと博士号の論文を書いた時も常にそうでした。
何かしらの社会的問題を見つけて、こうだろうなという仮説を立て、仮説を立てたらやってみて、成功するか失敗するかを見極める。同じ失敗は二度と起こさない。そういったことの集大成で大人になっていくんだと思うんですよ。
 

 
柴田
板越さんの人生のお話や経験を通して学ばれたこと、若い人へのメッセージなど、本日はありがとうございました。
 
板越
こちらこそありがとうございました。現在、日本で本格的に地方創生とスタートアップの支援を行う予定ですので、絶賛人材募集中です(笑)。もしこれを読んで私と一緒に日本を変えるようなビジネスをしたい!という人がいたらご連絡下さいね。お待ちしています。
 
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今回は、株式会社クラウドファンディング総合研究所 所長の板越 ジョージ氏にお話を伺いました。前編では、板越氏の幼少期からの人生経験を伺い、後編ではPILESGARAGE編集長の柴田が、板越氏から若者へのアドバイスを伺いました。前編に引き続き、後編でも若い頃の経験の大切さと同時に、人生は短いようで長いということも学びました。「40歳なんて、まだまだ子どもだった」というお話は20代、30代の方にとって、価値観を変えるような刺激的なメッセージだったのではないかと思います。50歳になって、初めてスタートラインに立つ。そう考えると、準備期間のうちにたくさんの経験をしておかないといけないと思えますね。
 
さて、あなたにとってはどんな話が胸に残りましたでしょうか? この記事を読んだあなたにとっても、これからの時代を生きるヒントが見つかれば幸いです。
 
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クラウドファンディングを通して一人でも多くの方が、自己実現ができるように支援活動をしていきたいと思っております。
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