債務超過≠倒産
2017年2月15日日経新聞朝刊では、東芝が債務超過に陥ったことが掲載されていました。
実はこの債務超過、赤字≠倒産であるように、債務超過≠倒産であることはご存知ですか?(ただ、倒産する企業は債務超過に陥っていることが多々あります。)今回は貸借対照表を用いて、債務超過がどのような状態なのか図解していきます。
なお、こちらの記事「債務超過とは? 倒産とは違うの?」でも債務超過を解説しています。
「図解」債務超過とは?
経済法令研究会が出版している「金融・経済用語辞典」に掲載されている債務超過の例を、図を用いて解説していきます。
下記の貸借対照表①のように、負債総額100億円、資本100億円、資産総額が200億円の企業があるとします。ただし、この資産総額には不良債権や値下がり不動産が含まれていたため、これらを評価して資産の実質価値を調べたところ、貸借対照表②のようになりました。
この結果以下の3点が確認出来ます。
- 資産(実質価値)より負債の方が多くなっている
- 欠損金の方が資本の方より多くなっている
- 企業の資金源泉がすべて負債、すなわち他人資本からなっている
このことから、この企業は債務を返済する自己資本がまったく存在しない債務超過の状態になっていることが分かるのです。
貸借対照表①
貸借対照表②
債務超過は企業の危険信号
これまで述べてきたように、債務超過は企業の財政状態がきわめて危険な状況に陥っている証拠です。読者の皆さんは、自分に関係する企業の財政状況がどうなっているのかを一度確認してみることをおすすめします。
編集者:株式会社mannaka
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