中国のアリババとは? 企業解説

はじめに

“阿里巴巴集団(以下:アリババ)”という企業を聞いた事がありますでしょうか。もしかしたら、この名前を聞いて“アリババと40人の盗賊”というイスラム世界に伝わる物語の方を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、今回は企業の方を解説します。
 

アリババの概要

アリババとは1999年6月に中国、浙江省杭州市で創立され、主にインターネット関係のサービスを提供している企業です。
 
また、“アリババ”という企業名は実際に、“アリババと40人の盗賊”に由来しています。創業者で元CEO、現在は会長を勤めている馬雲(ジャック・マー)は、企業名を考える際にアリババを思い付き、「世界中の誰もが知っている名前」「合言葉を言えば何でも手に入る物語はインターネット通販に通ずる」という理由で採用しました。
 

アリババの提供するサービス

アリババは今最も成長の大きい企業のひとつです。アリババの提供するサービスは多種多様であり、「C to C」「B to B」「B to C」 など幅広い分野でのサービスを取り扱っております。数多くあるサービスの中のメインとなるサービスが以下の通りです。
 

Table 1 アリババの展開する主なサービス
 
そのほかにも、クラウドコンピューティングや金融サービスも取り扱っております。
 

アリババは急激な成長を遂げた

アリババは中国全土で急激に成長を遂げ、現在中国ではどの部門においてもマーケットシェアの大半を占めています。その中でも収益の大半は、広告収入と出店料・決済手数料です。
 
また、IT企業としては、アップル、グーグル、マイクロソフトに次いで世界4位、アマゾンやフェイスブックを上回っています。
 

アリババの画期的な通販サービス

一方、アリババのネット通販サービスは近年大きく成長しています。
 
その理由は、現在アリババではデータ解析や人工知能のシステムを取り入れ、通販サービスに応用しています。ユーザーはスマートフォンのカメラを利用して、欲しい商品を撮影するとそのお目当ての商品を検索し、探し出す仕組みを導入しています。このシステムは大変画期的であり、インターネット初心者や商品についてあまり詳しく分からない人にとっても大変便利な機能と言えます。
 
例えば、気になったカバンが目の前にあったとき、そのカバンをアリババ通販サイトのアプリで撮影すると、撮影された写真を分析し、その商品または類似の商品を検索してくれます。スマホ世代の現代の若者達にとっては、身の回りのあらゆるものがアリババのこのサービスでショーウィンドウになるといえます。
 

アリババの業績

アリババが過去最高の業績を上げた

2017年3月期の売上高は56%増の1,582億元(約2兆6,000億円)、営業利益は65%増の480億元(約7,888億円)といずれも過去最高を更新しました。
(出典:日本経済新聞2017年5月20日電子版 「アリババ経済圏進化 スマホで撮ればネット通販注文」http://www.nikkei.com/article/DGXLASDX19H1K_Z10C17A5FFE000/
 

アリババの鈍化するユーザー数と、急伸する一人当たり売上高

アリババの売上高の7割は国内ネット通販のユーザー数が占めています。しかし、現在アリババはそのユーザーの数に伸び悩んでいます。ユーザー数は今年2017年3月末に4億5,400万人に達しましたが、1年間の伸び率は7%と前の期の20%増から鈍化してしまいました。
 
一方、急伸したのが1人当たりの売上高です。2017年3月期は251元と1年前に比べ33%増加しています。10%増だった前の期に比べ、伸びが大きいです。
 

Chart 1 アリババの一人当たりの売上高推移
 

アリババのまとめ

今後アリババはAI機能の強化を行っていく方針です。しかし、現在AIの専門家の数はまだ不足しているので、人材確保が最優先となります。また、アリババは5月に四川省の成都信息工程大にアリババビッグデータ学部を設立すると表明しました。5年間で1000人の人材を育成するとのことです。
 
今後のアリババの展開にも注目です。
 
編集者:株式会社mannaka
協賛 :株式会社エスネットワークス
 

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