政府が半額補助 設置数増加、宅配ボックスとは? 再配達問題解決か

はじめに

いまや私たちの生活にとって欠かせないものとなったネット通販。皆さんの中には、不在で荷物を受け取れず、再配達をしなければいけなくなった経験を持つ人も多いと思います。
 
2017年1月17日の日本経済新聞朝刊では、そんな再配達削減に向けた取り組みについての記事が掲載されています。政府が4月から宅配ボックスの設置費用の半額を補助する制度を新設し、駅やコンビニエンスストアへの設置を後押していくことになったのです。ここでは、宅配ボックス設置の背景や今後の展望を解説していきたいと思います。
 

宅配ボックスとは

宅配業者が配達先を訪問したが、受取人が不在だった時に、荷物を預けておけるロッカー型の設備です。
 
今回、環境省が対象としたのは、「不特定多数の人が利用できることが条件」とされるオープン型の宅配ボックスで、ヤマト運輸・ネオポストの「PUDOステーション」などがこれに該当します。(記事で紹介されていた楽天の「楽天BOX」やマンション住民専用の宅配ボックスは対象外です。)
 
宅配ボックスを設置することで、配送効率の高まりや、消費者の利便性の向上が期待されています。
 

宅配業界、再配達が問題になる理由とは?

再配達は労働生産性の低下に繋がります。下の図の国土交通省のデータよると、2015年度における宅配便取扱個数は37億個となっており5年前から約1割増えています。宅配便の配送車両の走行距離の約25%が再配達に回り、本来であれば必要のないトラックの走行が全体の約4分の1も発生しているのです。
 
また、再配達によるCO2排出量への影響も甚大です。1年間で不在配達により発生したCO2排出量は、山手線の内側2.5個分と同じ広さのスギ林の年間CO2吸収量に相当すると言われています。 宅配ボックス設置の背景には、再配達により発生した大きな社会的損失があるのです。
 

Chart 宅配便取扱個数の推移
 

宅配ボックスの展望

ヤマトが宅配ボックスやロッカーからの発送サービスを始めており、今後宅配ボックスの需要は拡大する見込みです。
 
宅配ボックスの設置はマンションが中心ですが、戸建てでも宅配ボックスの設置が進むことが期待されます。宅配ボックスの普及により、人材不足が問題となっている宅配業界の業務を少しでも減少するのが望ましいですね。
 
 
編集者:株式会社mannaka
協賛 :株式会社エスネットワークス
 

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