社会人なら考えておきたいキャリアデザイン設計とは?

働き方改革による働き方の多様性で様々な働き方を選択できるようになりました。しかし、少子高齢化社会が進む現在の日本では、将来の不安を抱えながら仕事をしている社会人も多いです。

そんな将来の不安もキャリアデザインを設計することによって、将来のことが見通しやすくなります。この記事では、キャリアデザイン設計について紹介します。

 

キャリアデザインとは


ビジネスの現場では、キャリアとは経歴という意味を持ち、仕事で経験や実績を積んで昇進や転職して収入アップなど、仕事についての意味合いで使われることが多いです。

そのことからキャリアデザインとは、「どんな仕事をしていきたいか」や「キャリアアップして出世して家庭を豊かにしたい」など仕事やプライベートなことも含めて自分のキャリアの理想や目標を定めて、実現するための計画を主体的に設計していくことを意味します。

そのため、キャリアデザインを明確に設計しておくことで、自分がやるべきことが明確になり、仕事に対するモチベーション維持に繋がっていきます。

 

キャリアデザインが重要な理由


自分の理想のキャリアを実現するために設計するキャリアデザインですが、キャリアビジョンを構築してキャリアデザインを設計して仕事をしている社会人は、3割程と言われていて多くの方はキャリアデザインを設計していないのが現状です。

しかし、様々な観点からみてもキャリアデザインを設計することは、重要なことになります。ここでは、キャリアデザインが重要な理由について解説します。

  

社会的背景

キャリアデザイン設計を推進する社会的背景として、働き方の多様化やグローバル化があります。また、少子高齢化社会を起因とする企業の人手不足があり、キャリアに不安を抱えていると従業員の離職の可能性が高くなり、企業の生産性の低下にも繋がります。

そのため、キャリアデザインを設計することにより、従業員のキャリア不安の解決とモチベーションアップに繋がり、優秀な人材確保と生産性の向上を図ることができるので、キャリアデザインを支援する企業が増えています。

  

企業の雇用形態の変化

ひと昔前の日本では、新卒で入った会社を定年まで勤め上げる終身雇用が当たり前のようになっていました。しかし近年は、働き方の多様化が進み終身雇用制が崩壊し、海外のビジネスマンのように転職してキャリアアップしていく働き方も珍しくなくなってきています。

年功序列ではなく、実力で収入も変化するためやりがいが上がった分、高学歴で正社員に雇用されていても将来安泰ではなく、しっかりとしたキャリアデザインを設計していないと将来の不安が大きくなります。

現代は、企業の雇用形態も多様化し、人材の流動性が激しくなっているため、企業は即戦力を求める傾向がより強くなっています。そのため、高齢になると条件が良い企業に転職することが難しくなるので、長期のキャリアデザインを設計することが重要になります。

  

個人の価値観の変化

現代は仕事だけでなく、プライベートも充実させながら仕事をしたいというワークバランスを重視する考えの人が増えてきました。また、仕事よりもプライベート優先にする人もいるなど仕事に対する価値観は多様化しています。

また、企業が個人に求めることは、仕事での自己表現が重要視される時代でもあり、仕事を自己表現の1つとして実現していくためにも、キャリアデザインを設計することで「自分にとって仕事とは?」と見つめ直すことが重要になります。

 

キャリアを構成する要素


キャリアデザインを設計していく手順としては、3つの要素を軸にして構成していくことになります。ここでは、キャリアデザイン設計の軸となる3つの要素について解説します。

  

知識・技能

キャリアデザインを設計して目標を達成するために、どんな行動をしていくべきかどのようなスキルや経験を積むべきかを具体的に分析していき、取得するべきスキルや資格を明確にしておきましょう。

分析する時には、取得していく予定のスキルや資格が将来においても社会的に必要とされ需要があるかを考えておくことが重要です。なぜならば、将来的にも需要があれば、キャリアデザインの計画に変更が合ったとしても柔軟に対応でき、仕事を失うなど収入がなくなるリスクを減らすことができ、将来への不安を軽減できるからです。

  

行動特性・思考特性

キャリアデザインを設計する上で一番最初に考えることは、「将来なりたい自分」や「こうなっていたい」というはっきりと将来の自分を明確にすることです。目指すゴールを明確にすることで、どのように目標を達成していくかの道筋を明確することができます。
またその時には、自分の物事に対するクセだったり取り組み方の傾向などを把握しておくことも必要になります。自分の行動性や思考特性を知るためには、エニアグラムなどのツールで知ることが出来るので活用してみましょう。

  

マインド・価値観

マインド・価値観は、仕事やキャリアに対する意識や動機あるいは価値観のことです。これらは、キャリアを選択する上で非常に重要なファクターになります。マインドや価値観を考えないでキャリア設計をしてもモチベーション維持が難しく、どこかで歪みが生じてしまう可能性が高いです。自分のマインド・価値観は分析ツールを使用してデータ化して見えるようにしておくとキャリアデザインを設計する上で大いに役立ちますので、データとして保存しておきましょう。

 

キャリアデザインの描き方


キャリアデザインを設計して描いていくには、考えなければならないことが数多くありどのように設計して描いていけばいいか難しいと思ってしまいがちです。ましてや、自分の将来を左右することなので、失敗しないように綿密に設計していきたい気持ちが強いはずです。

キャリアデザインを描いていくうえで、順番と要素を決めて考察していくことでまとまりやすくなります。ここでは、キャリアデザインの描き方について紹介します。

  

過去を振り返る

まずは、自分の今までの過去を振り返ってキャリアの棚卸をしてみましょう。具体的には以下の項目について書いてみましょう。

・これまで行ってきた業務経験
・保有している資格や取得しているスキル
・ビジネスにおけるスキル
・厳しい局面に対する自分の行動
・自分がやりがいに感じること
・これまでのキャリアで一番嫌だったこと

などを書き出してみましょう。これらを書き出すことで、自分がどういった知識やビジネススキルがあるかを確認することができます。

また、困難に立ち向かう時の自分の行動や好き嫌いを整理することができるため、これまでの自分をより深く振り返ること出来ますのでぜひ書き出してみて下さい。

  

心理テストや適性検査を行う

次に過去の自分を振り返って自分を棚卸ししたら、今度は現在の自分を主体的にではなく客観的に見つめる必要があります。なぜならば、自己評価と人から見た自分の評価では少なからずズレがあるからです。

そのため、自分を客観的な視点で知るために心理テストや適性検査のツールを使用することをおすすめします。心理テストや適性検査は、個別検査や法人企業用の社会人向けはもちろんのこと小中高・大学・専門学生を対象にした心理テストもあり、幅広い年齢層に対応しています。

インターネット上で無料でできるツールもありますが、転職エージェントや有料のツールを使用することで信憑性が上がりますので、より信憑性が高い検査をしたい人はお金がかかりますが、有料ツールの使用をおすすめします。

  

身近な人に自分のことを聞いてみる

自己分析や検査ツールを使って、自分を主体的にも客観的にも見つめ直すことが出来たならば、客観的な視点として今度は身近な人が自分をどういう風に見ているかなど自分に対する評価を聞いてみましょう。

ツールを使用することで機械的な自己分析は出来ましたが、周囲の人の自分に対する評価は、よりリアルな自分への評価となり重要な要素となります。身近に聞くこととして、自分に対して期待していることを聞いてみましょう。

仕事の場合は、上司や先輩・後輩また、取引先の相手に聞けたらベターです。また、プライベートな自分を知っている家族や友人・恋人の自分への評価を聞いて自分がどんな人間と思われているか知っておきましょう。

自分が思っていた評価と違う評価でギャップにショックを受けることもあるかも知れませんが、自分を知る上では必要な情報となります。

  

自分のなりたい姿をイメージする

ここまでの自己分析で、自分を主体的にも客観的に深く自己分析ができたならば、次は将来に目線を向けましょう。つまり現状の自分を知った上で、将来の目標やなりたい自分の姿をイメージするということです。

自己分析を活かして、より明確に自分らしいキャリアデザインについて考えていきましょう。しかし、若い人では、具体的に目標を設定できないことも多いです。その場合は、まずは漠然としても構わないので「自分が将来どうなりたいか」を軸に考えてみましょう。

漠然的だとしても将来のイメージを設定することで、偶発的なキャリアの発展に繋がります。

  

具体的なアクションを考える

将来の自分をイメージすることが出来たならば、それを実現するために、資格取得やスキルアップなどの具体的な目標を設定して、目標を達成するためのアクションを起こしていきましょう。

計画設定時は、10年単位の長期スパン、1年の短期スパンで考えて行くと今の自分がやるべきことが明確になり、モチベーションを高いレベルで維持することができます。

 

キャリアデザインしてなりたい自分になろう


いかがでしたか?老後の生活に2000万円の貯蓄が必要と言われたり、少子高齢化による年金支給額に期待ができず、安心して老後を送るためには現役で仕事をしている間に如何に稼いで貯蓄するか定年後でも稼げるキャリアがある必要があります。

また、これからは雇用されているから安心な時代ではなく、個人の能力で稼いでいかなくてはいけない時代に突入します。充実した人生にするためにも、今からご自分のキャリアデザイン設計を描いてみましょう。