最高水準の半導体を製造 韓国の半導体大手「SKハイニックス」とは?

はじめに

2017年4月26日(水)の日本経済新聞で、韓国の大手半導体製造企業のSKハイニックスが2017年1~3月期の連結決算で過去最高の営業利益を達成したと報じられました。これは前年同期比の4倍以上で、2,000億円を超えるそうです。
 
半導体といえば、IntelやSamsung、東芝、 Qualcommなどの企業を想像し、SKハイニックスと言ってもピンとこない人も多いかもしれません。
 
今日はそんなSKハイニックスを紹介したいと思います。
 

半導体の種類

SKハイニックスについて説明する前に、NANDについて解説します。
半導体には、電源を切ると記憶情報が消えてしまう揮発性のメモリ(RAM)と電源を切っても記憶情報が残る不揮発性のメモリ(ROM)が存在します。
 
RAMは記憶保持が必要か不要かで分類され、必要なものがDRAM、不要なものがSRAMです。しかし、SRAMは回路が複雑で、コストが高いためDRAMが主要です。
 
ROMにはNAND型やNOR型がありますが、NAND型はコストが安く、大容量であるため生産コストの下がり出した2000年以降から使われるようになりました。そのため、現在揮発性のメモリとしてDRAMが、不揮発性のメモリとしてNANDが主に使われています。そして近年、新技術によるNANDの研究開発に注目が集まっています。
 

新型半導体3次元NANDの登場

半導体の集積度には、これまでムーアの法則のペースで技術革新が進んでいました。
 
ムーアの法則とは「2年でトランジスタの集積密度が2倍になる」という経験則で、半導体のメモリセルの集積度が指数関数的に増加することを予測し、実際にその有効性は、スマホの誕生やPCの高性能化に裏付けられてきました。しかし、近年はそのムーアの法則に限界が来ていると言われています。メモリセルがnm単位で接近すると、セル同士が干渉してしまう問題が発生するためです。
 
そこで、この問題を解決するために開発されたのが3次元NANDです。3次元NANDは縦方向に何層もセルを積むことで性能を向上させた半導体です。そしてこの3次元NANDにおいて、業界最高の積層数である72層もセルを積み重ねた3次元NANDを量産するのがSKハイニックスなのです。
 

SKハイニックスの財務情報

Table 1にSKハイニックスの財務情報を示します。
 
2016年の前半は激しい半導体業界の競争の中、SKハイニックスは年間1兆円を越える売上を計上しており、半導体業界では5本の指に入る規模の企業です。
 
そして、SKハイニックスは3次元NANDの技術開発の影響もあり、2017年の第1四半期の売上高が6,000億円を超え、大幅な増収増益となりました。
 

Table 1 SKハイニックスの財務情報
(出典 : SKハイニックスのIR情報。半導体業界は変動が激しいため四半期ごとのデータを示した。)
 

SKハイニックスのまとめ

以上、半導体の種類を中心に、SKハイニックスについて解説しました。今年の2月に東芝の半導体の事業部に出資を検討するなど、半導体業界では目の離せない企業です。今後AIやIoTの発展によって半導体の重要性が高まるため、SKハイニックスの今後の発展が楽しみです。
 
編集者:株式会社mannaka
協賛 :株式会社エスネットワークス
 

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