テレビ離れで危機か テレビ業界、インターネット動画に活路

はじめに

日本経済新聞社、テレビ東京ホールディングス(以下、テレ東)、TBSホールディングス(以下、TBS)、WOWWOWなど国内メディア大手6社が、インターネットの動画配信事業で新会社を設立します。新会社の名前は「プレミアム・プラットフォーム・ジャパン(仮)」。
 
テレビ離れに伴い、マスメディアはインターネットへの進出を進めています。
 

従来のテレビ業界のビジネスモデル

テレビ業界、従来の収益源はCM

1953年にテレビ放送が始まってから今まで、民放のテレビ会社の収益は、番組の合間に流すCM(コマーシャル)の広告料でした。
 
テレビCMには、タイムCMとスポットCMという2つの種類があります。
 

タイムCMとは

タイムCMとは、番組の枠内で流れるCMです。テレビ番組を見ているとよく、「ご覧のスポンサーの提供で…」というコメントと共に社名が表示されます。そこに表示される会社がテレビ局からタイムCM枠を購入し、30秒のCMを流しているわけです。
 

スポットCMとは

スポットCMとは、番組と番組の境目などテレビ局が定めた時間に流れるCMです。タイムCMと比べて契約期間が短いため、新商品発売やキャンペーンなどの広告によく使われます。
 

テレビ業界唯一の売上向上策は「視聴率」だった

では、テレビ局は売上を増やそうと思った時にどのような行動を取るでしょうか。売上は、販売単価×販売数量で求められますが、法律でCMを流せる量は制限されています。そのため、テレビ局はCMの販売単価を上げることに注力することになります。
 
そして、CMの販売単価に大きく影響するのが「視聴率」です。だからこそテレビ局は、視聴者の目を引く面白い番組やニュース番組を制作するのです。
 

インターネット動画時代の到来

もはやテレビは見ない

しかし、最近ではインターネットの普及に伴い、若者を中心にテレビ離れが進んでいます。今の時代、娯楽としての映像メディアはテレビ局だけではなく、個人も作ることができるようになりました。
 
Youtubeやニコニコ動画などの動画配信サービスは、より視聴者に近い存在として注目を浴びています。また、テレビ番組の違法アップロードも行われており、番組が放送される時間にテレビで見たり、録画をしたりといった習慣が一部失われつつあります。
 

テレビ業界もインターネットへ参入

もちろん、テレビ業界もこれに対応するため、様々なサービスを展開してきました。その1つがいわゆるオンデマンド配信です。月額料金を支払えば、インターネットで好きなタイミングで好きな番組を見ることができます。
 
TBSオンデマンド、テレビ東京ビジネスオンデマンド、フジテレビオンデマンドなどテレビ局の名前が付いたものは、その局で放送された番組を見ることができます。一方、Netflix、Hulu、U-NEXTなどの動画配信サービスは映画やアニメ等も視聴できるのが特徴です。
 

テレビ業界とインターネット動画配信の展望

インターネットによる動画の配信が当たり前の時代になり、テレビ局の収益モデルに番組の販売が加わりました。
 
今回、新たに作られる「プレミアム・プラットフォーム・ジャパン(仮)」は、資本金40億円でTBSが31.5%、日経新聞社が16.6%、テレ東、WOWWOWが各14.9%、電通が14.8%、博報堂DYメディアパートナーズが7.3%出資します。
 
各社が得意とするコンテンツを持ち寄るほか、オリジナル番組を共同制作する予定です。最近はサイバーエージェントのAbemaTVなど、テレビ離れを逆手にとってスマートフォンでテレビが見れるのが当たり前といった時代になりつつあります。
 
動画配信サービスの市場規模は今後ますます拡大しそうな勢いです。
 
 
編集者:株式会社mannaka
協賛 :株式会社エスネットワークス
 

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