はじめに
ミャンマーの旧首都であるヤンゴン近郊にあるティラワで経済開発が進んでいます。しかし、その開発には、構想当時には抱かなかった問題が生じているようです。
今回は、ミャンマーの経済特別区、ティラワ経済特別区(SEZ Special Economic Zone 以下、経済特区)で起きている問題について解説いたします。
ティラワ経済特区の始まり
経済特区開発事業について、ミャンマー政府が2011年12月にヤンゴン近郊にあるティラワ地区を経済特区として開発する方針を示しました。このプロジェクトには、日本・シンガポールなどが関与する形で計画されました。
ティラワ経済特区開発事業計画とは、ティラワ地区約2,400ヘクタールに、商業用地域、製造業用地域等を総合的に開発するという計画です。
ミャンマー、経済開発を推進する思惑
ミャンマーでは、経済成長に向けた政治的な動きが強く見られています。
政府は、雇用創出や国民の所得向上を実現する上で海外直接投資の誘致を重視しており、それが経済特区開発の推進に見られています。
ティラワ地区は、市場へのアクセスと豊富な労働力の強みを生かし、高い技術力を有する日本企業などの外資企業の進出を促したいと考えられます。
外資企業の誘致が成功すると、莫大な雇用が生み出され、さらに国内産業の技術力の底上げにも繋がる可能性があります。
経済特区で生じている混乱とは
2017年5月25日の日経新聞の記事で、経済特区で生じている問題について触れられていました。
2017年4月に、ミャンマー政府による新投資法の運用が始まりましたが、その際公表されたリスト(事業への制約を受ける業種のリスト)が、3月時点の草案と違ったものとなっていました。
これはミャンマーにとっての、外資企業と国内企業に平等にかけられる制限であるとされていますが、実質的に外資の参入を抑える狙いがあるとの見解もあります。
ミャンマー政府、外資企業に規制をかける背景
外資企業に規制がかかる背景として、ミャンマーが民主化に向けて進んでいる途中であることがあげられます。
外資企業が入ることで、経済成長が見込めるものの、個人商店などに影響があると、国民民主連盟(現政権与党)への支持率が悪くなる可能性があります。そうなると、民主化も途中で頓挫しかねないという懸念を配慮した背景があると考えられます。
ミャンマーの経済特区混乱、まとめ
民主化に神経を張りすぎている政党の状況が窺えます。とは言え、経済成長には外資系企業の誘致が必要とも考えられます。難しい舵取りが迫られるミャンマーの動向に今後も注目していきたいですね。
編集者:株式会社mannaka
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