はじめに
皆さん、株式会社コロプラ(以下、コロプラ)をご存知ですか?
よくCMで見かけますよね。
CMのせいかゲームのイメージが大きく浮かびますが、実際はどうなのでしょうか。
また、最近多くの種類のモバイルゲームのCMを見かけますが、それほど儲かる業態なのでしょうか。
今回はコロプラとスマホゲーム市場について調べていきたいと思います。
コロプラの基本情報
Table 1 株式会社コロプラの基本情報
基本情報はこのようになっております。
ところでコロプラという名前の由来を皆さんは御存知でしょうか?
コロプラというのは会社設立当時のサイト名である「コロニーな生活☆PLUS」の愛称だそうです。初心を忘れないようにという信条の下、この会社名が採用されました。
コロプラの事業内容
では、次にコロプラの事業内容について見ていきましょう。
コロプラの事業は以下の4つに大別されます。
- 国内モバイルゲームサービス
国内にスマートフォン用ゲームなどのモバイルゲームアプリを配信しています。
代表作には、「白猫プロジェクト」「クイズRPG魔法使いと黒猫のウィズ」があります。
- 海外モバイルゲームサービス
モバイルゲームアプリを主に英語圏、東アジアに配信しています。
配信方式には売上すべてがコロプラのものになる「自社配信方式」と売上の何割かがコロプラに入る「パートナー配信方式」があります。
- VRサービス
VR(仮想現実)を利用したサービスの提供を行っています。
ゲームに対する活用だけでなく「動画」や「投資」といった領域にも活用を積極的に行っています。
- その他サービス
「お出かけ研究所」はコロプラの主要サービスから付随して得られる位置情報を利用して主に全国の自治体や鉄道会社などにコンサルティングサービスを提供しています。
「スマートアンサー」はスマートフォンに特化したリサーチサービスを提供しています。
コロプラの業績
では、次はコロプラの財務状況を見ていきます。
コロプラの売上高、営業利益、当期純利益の推移
まずは、売上高、営業利益、当期純利益の推移です。下の図がそれを表しています。
売上高の急激な伸びがすごいですね。何がそうさせているのでしょうか。
伸び始めた時期を考えると、スマートフォンが普及した頃ではないでしょうか。スマートフォンの急激な普及と共にコロプラも売上を伸ばしてきたと解釈できます。
Chart 1 コロプラの売上、営業利益、純利益の推移
Table 2 コロプラの売上、営業利益、純利益の推移
(出典:コロプラHP IR情報 業績データ推移)
コロプラの利益率の推移
次に利益率を見てみます。
普通の業種では考えられないくらい高い利益率です。
この期間内ではありますが、20%近辺を境に推移しています。
ソーシャルゲーム業界の収益構造が高い理由は何でしょうか?それは、開発コストがかなり低いこと、そしてはじめは無料でユーザーに利用してもらい、その後にゲームにのめりこんだ数%のユーザーから、課金による収入を得るといったビジネスモデルが貢献していると考えられます。(ネット業界でよく使われており、これを「フロントエンド・バックエンド」と言います。)
Chart 2 コロプラの営業利益、当期純利益率の推移
Table 3 コロプラの営業利益、当期純利益率の推移
(出典:コロプラHP IR情報 業績データ推移)
コロプラの今後
では、コロプラの今後はどうなっていくのでしょうか。
まずスマホゲーム市場を俯瞰して見ると、国内スマホゲームの市場規模はメーカー売上金額ベースで2015年度9,250億円、そして予想値ではありますが2016年度は9,450億円、2017年度は9,600億円と安定的な成長をしていくと見られています。
(出典:矢野経済研究所 スマホゲーム市場に関する調査を実施
http://www.yano.co.jp/press/pdf/1683.pdf)
一方、コロプラの現状で見ると、現在の売上高の内のほとんどはモバイルゲームサービスが占めています。しかし、まだ大きな成果には至っていませんがVR事業にも注力していますし、またコロプラのゲームに登場するキャラクターはコロプラ自身が作り上げているので、それに関する知的財産権が今後生きてくることも期待できます。
これらを考慮すると、スマホゲーム市場が成長し続けていく中で、コロプラがさらに波に乗っかっていくことが可能とも思いますし、スマホゲーム市場が安定している間にVR事業を発展させていけば、企業としては地盤のしっかりとしたものになると思います。
コロプラのまとめ
今回は、スマホゲームで有名なコロプラを見てきました。
調べていく中でゲームだけでなく、動画や投資に活用できるVRに注力しているということがわかりました。
現在はスマホゲーム事業の高い利益率、そしてスマホの市場への普及により好調を維持している状況を、今後どうVR、もしくは他の事業にシフトしていくのか参考にしたいですね。
編集者:株式会社mannaka
協賛 :株式会社エスネットワークス
財務・会計系コンサルティング会社。
ベンチャー企業やローカル企業にCFOコンサルティングを行っています。
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